
水除菌リアクターの放熱技術
熱マネジメント技術
深紫外LEDが光源として用いられている除菌製品において、LEDから放出される熱のマネジメントは、モジュールや完成品等の製品化にあたり解決すべき技術的課題の1つです。LEDへの投入電力は光と熱にエネルギー変換され、光として出力されるエネルギー以外は熱として損失します。この損失分の熱は部品の温度上昇を引き起こし、LEDの寿命を短くする原因になるため、LEDが実装される基板や周りのモジュールを含めた熱マネジメント技術は、高効率で高品質なLEDの性能を維持する重要なポイントになります。
深紫外LEDリアクターの放熱
深紫外LEDリアクターには、放熱機能を担う部品が3つあります。1つ目が、LEDに電気を投入しながら同時に熱を逃がす役割を担う放熱基板。効率よく熱を放出させるための金属製ヒートシンク。これらの2つの部品は、パソコンなどの電子機器などにも使用されています。そして3つ目が、ヒートシンクに直接風を当てることで放熱性能を高めるファンです。3つの部品の性能を最大限に引き出せるよう組み合わせることで、適切な熱マネジメントを実現しています。
図1 3つの放熱部品

放熱部品の小型化・軽量化を実現するために
スタンレー電気では、システム全体における放熱経路を最適化するため、物として形を作り出す前段階に、伝熱光学や流体工学の理論に基づいた「理論設計」と「熱流体解析」を実施しています。部品同士の熱が伝わりやすく、外気に効率よく放熱できる仕組みをシミュレーション上で分析します【図2参照】。
自動車ランプの放熱部品には小型化・軽量化が求められます。そのため、スタンレー電気では部品を可能な限り小さく軽くしながら、性能を高める技術を追求。その技術を、深紫外LEDリアクターにも活用しています。深紫外LEDリアクターのヒートシンクにおいては、軽量化を図るために、形状やパラメータを最適化する計算手法を導入。自動車ヘッドランプで構築した熱マネジメント技術を応用して、深紫外LEDリアクターの機能特性に合う小型で軽量な放熱部品を実現しています。
図2 熱流体シミュレーションの解析イメージ
