赤外光源による
車室内3Dセンシング
近年、欧州ではすべての新型車へ先進運転注意喚起システムの搭載が義務付けられるなど車室内のセンシングにおける重要性が増しています。今後さらに高度な車室内におけるセンシングが必要になっていくと考えられる中で、当社では赤外光源のさらなる開発を進めています。
インテリア市場におけるセンシング動向
欧米市場では法規により、2026年7月以降、全新型車両へのドライバーの注意散漫や眠気の検知をするDMS(ドライバーモニタリングシステム)が全新型車両への搭載必須となります。今後も安心・安全に向けた規則基準・安全基準の強化が検討されてく中で、当社では今後のIn-cabinセンシングの動向に合わせて、赤外光源の更なる開発を進めていきます。
センシング機能の将来予測 ※GSR/NCAP予測を参考
3Dセンシングとは
3Dセンシングは、物体の形状や位置、距離を三次元で捉える検知方法です。従来の2Dによるセンシングは、平面的な画像に情報が限定されますが、3Dによるセンシングは奥行きの情報が加わり、立体的に物体を情報解析することができます。そのため、より複雑で詳細なデータ分析が可能となり、自動車においても様々な付加機能を与えることが可能になります。
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2Dによるセンシング
一般的なカメラによる平面映像
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3Dによるセンシング
通常の2D画像に加え、深度(距離情報)を取得
3Dセンシングの手法
当社の赤外光源を使用した代表的な3Dセンシング手法をご紹介します。
ストラクチャードライト方式
Structured Light方式とは、プロジェクタから投影したパターン光を対象物に照射し、対象物をカメラで撮影します。そのカメラ画像から、対象物の3D形状を計測する方式のことです。対象物にDot等のパターン光を照射し、それをCMOSで捕えて、人間の目と同じ原理(視差)により距離を算出しています。
ストラクチャードライト方式の特長
- DMSで使用しているドライバー及びセンサーと同一のものを使って3D検知が可能
- 近距離(~2m程度)の検知に向いており、近距離においては高精度検知が可能
開発品 ドットプロジェクターVCSEL
※本製品は開発中のため、スペック値に変更がでる可能性があります。
| specification | TypeA | TypeB |
|---|---|---|
| Forward current [A] Tw:300us / duty 1% |
4.0 | 6.0 |
| Output power [W] | 3.0 | 10.0 |
| Output power [W] | 2.1 | 3.8 |
| Wavelength [nm] | 940 | 940 |
| FOI X [deg] | 140 | 140 |
| FOI Y [deg] | 110 | 110 |
| The number of dots | 10,000@140x110deg | 10,000@140x110deg |
TOF方式
発光源からの光を対象物に照射し、その反射光を受光センサーで検出するまでの時間差を利用して対象物までの距離を測定します。XY方向の画像取得に加え、Z方向の情報も取得できるため、三次元空間のセンシングが可能となります。対象物にあたった光が返ってくるまでの時間もしくは位相差を使って、距離を測定しています。
TOF方式の特長
- 近距離から長距離まで検知精度が一定
- 短いパルス幅での駆動により、外乱光による影響を受けにくい
- 距離情報を持った画像が容易に取得可能
IR VCSEL