サプライチェーンマネジメント

基本的な考え方

当社グループは、取引先と対等かつ公平な立場で接し、関係法令及び契約に従った誠実な取引を行っています。具体的には、国内外を問わず広く門戸を開放し、取引機会の均等を図るとともに、品質・価格・納期・安全・環境を基本とした、公正で合理的な基準によって、取引先を選定しています。また、取引関係を通して相互に繁栄することを目指すとともに、信頼と協力のもと、長期にわたる成長と競争力の維持強化に努めています。

CSRチェックシートによる現状把握

当社では、サプライチェーンにおけるCSR強化の一環として、毎年「CSRチェックシート」を取引先へ配付し、自己診断を実施いただいています。2023年度は、グローバルで1,300社を超える取引先に対してシートの配付と診断結果の回収を行い、人権尊重や労働条件、労働環境等に問題がないことを確認しました。また、診断結果から「当社の2次サプライヤーにあたる仕入先への展開」や「社内教育の推進」といった点が、取引先共通の課題になっていることが分かりました。当社はこれら課題の解決に向けて、取引先と協力し引き続き取り組んでいきます。

CSRチェックシートによる確認項目

紛争鉱物に対する取り組み

コンゴ民主共和国(DRC)及びその周辺国に加え、EU紛争鉱物規則に基づきEUが公表した最新CAHRAリスト*1に含まれている各国における武装勢力による人権侵害、環境破壊等を、重大な問題と捉えています。この武装勢力は紛争鉱物*2取引を資金源にしているとみられることから、これらの問題を助長しないよう、サプライチェーンの透明性を図り、責任ある鉱物調達の推進に取り組んでいきます。また、昨今加速する「責任ある鉱物調達」の調査対象リスト、関連法規制への対応のため、当社グループも2022年度より3TG*3にコバルト、マイカを対象に加え、調査を実施しています。

CSRチェックシートによる確認項目
  • 2024年3月時点、26ケ国にわたる284地域
  • コンゴ共和国及びその周辺国において採掘される金、錫、タンタル、タングステン、その他(米国国務省が資金源と判断する鉱物)
  • 錫(Tin)、タンタル(Tantalum)、タングステン(Tungsten)、⾦(Gold)

「責任ある鉱物調達」に基づく当社の対応範囲 JEITA 責任ある鉱物調達説明会2024 資料(P26)より引用

「責任ある鉱物調達」に基づく当社の対応範囲
  • ドッド・フランク法。米国の金融規制改革法で、1502条に紛争鉱物取引規制を定めている

安定調達に向けた取り組み

安定的かつ継続的な調達体制の維持・強化に向けて、部材を供給するすべての取引先に、当社グループの「防火・防災点検チェックシート」を用いた自主点検と、その結果に基づく防火・防災活動への反映及び体質・体制の強化を実施いただいています。
この活動は、サプライチェーン上の2次以降の取引先にも同様にお願いしています。2023年度は、国内では約100社の取引先から自主点検結果をご提出いただいて現状を確認し、さらなる改善に向けた情報提供やアドバイスを行いました。
また、原材料調達に関しては、従来から行っているマルチソース化(調達先の分散化)でリスク回避を行っています。2021年から続いている樹脂原材料価格の上昇に対しては、原材料調達のマルチソース化を維持しつつ、選択と集中による価格低減を進めています。

購入品の品質強化と環境への取り組み

当社は重要保安部品メーカーとして、「不良は、買わない、作らない、流さない」をモットーに、普段から取引先へ入り込んだ品質改善を行うとともに、購買方針説明会や各拠点での説明会を開催し、取引先の品質強化を支援しています。
2024年度の購買方針説明会では、「モノづくりと原価構造を変え、競争力のある原価を実現する」をテーマに5つの重点施策について説明を行いました。特に「カーボンニュートラル」では、Scope3のカテゴリーにおいてCO2排出量の可視化、削減、リサイクル材の積極的な活用、取り組み内容の開示の協力をお願いしました。 また、取引先には、「グリーン調達ガイドライン」に基づいて、環境マネジメントシステム(EMS)の維持向上と環境負荷物質の管理・削減をお願いしています。取引先環境調査を定期的に行い、「エコパートナー」として登録された企業との取引を行っています。

2024年度の購買方針「モノづくりと原価構造を変え、競争力のある原価を実現する」