スタンレー100周年サイト

幾多の困難を乗り越えて
北野社長の施策は確実に成果を上げていた。SNAP活動による生産性向上、市場ニーズを的確に捉えた製品開発、効率重視の投資の実施により強靭な企業体質への変革が見えてきた。しかし、2008(平成20)年9月のリーマンショックに端を発した世界同時不況による急激な景気の悪化の影響を受けた。そこから立ち直りつつあった2011(平成23)年3月11日、本社引っ越しの最中に東日本大震災が起きる。また、同年7月にはタイの洪水の影響で業績が悪化する。度重なる災禍を受けるが、グループ全体の力を結集しそれらを乗り越えていった。
CHRONOLOGY
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2003平成15
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5月
ホンダ「CBR600RR」(欧州仕様)にラインビームヘッドランプ、LED-T/Lが採用
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6月
執行役員職位を導入
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7月
スタンレーレディスゴルフトーナメントが復活開催
スタンレーレディスゴルフトーナメントが復活開催
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9月
大阪証券取引所における当社株式の上場廃止
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「Stanley Electric Holding Asia-Pacific Pte. Ltd.」(SEAP)を設立
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12月
韓国の「三立産業㈱」へ資本参加
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トヨタ「クラウン」にヘッドランプ「ナイトビュー」が採用(可視光カットと赤外光透過の機能)
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水不具合絶滅プロジェクト(水プロ)発足
スタンレーレディスゴルフトーナメントが復活開催
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2004平成16
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2月
au携帯「A5502K」に内蔵ストロボが採用
携帯電話にキセノンタイプのストロボが初採用(au「A5502K」)
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3月
熊本事業所を浜松工場と統合し、浜松製作所を開設
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4月
第Ⅱ期中期3ヶ年経営計画がスタート
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秦野再構築スタート
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研究開発部門活性化プロジェクト「ヘリオス(Helios)」を発足
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SQA(Stanley Quality Award)制度を導入
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10月
「スタンレーいわき製作所」が新工場へ移転
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12月
スタンレー技術展「光の5つの価値」2004を開催
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フランクフルト証券取引所における当社株式(預託証券)の上場廃止
携帯電話にキセノンタイプのストロボが初採用(au「A5502K」)
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2005平成17
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3月
間接系事業所で初めて本社が「ISO14001」の認証を取得
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営業改革と戦略策定支援プロジェクト「ルネッサンス(Renaissance)」を発足
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5月
スタンレーグループ行動規範を制定
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「Stanley Electric Korea Co., Ltd.」(SEK)を設立
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2006平成18
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1月
電球不具合撲滅プロジェクト(球プロ)発足
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5月
「内部統制システム構築に関する基本方針」の決議に基づいた体制の整備
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7月
「Stanley Electric Holding Europe Co., Ltd.」(SEEU)を設立
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2007平成19
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4月
新・改革プロジェクト「ミレニアム(Millennium)」を発足
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第Ⅲ期中期3ヶ年経営計画がスタート
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7月
オプトテクニカルセンター(OTC)を開設
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12月
スタンレー技術展「光の5つの価値」2007を開催
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2008平成20
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5月
トヨタ「センチェリー」にH/L採用
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12月
リーマンショックによる業績悪化に伴い緊急施策として、決裁権限のランクアップと全社一斉休業などを決定
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2009平成21
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6月
三菱の電気自動車「i-MiEV」に当社初のLEDヘッドランプが採用、量産開始
三菱の世界初の量産型電気自動車「i-MiEV」にLEDヘッドランプが採用
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10月
「Stanley Electric do Brasil Ltda.」(SEB)を設立
三菱の世界初の量産型電気自動車「i-MiEV」にLEDヘッドランプが採用
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2010平成22
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4月
スタンレーグループ第2長期経営目標がスタート
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第Ⅳ期中期3ヶ年経営計画がスタート
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10月
ADB搭載試験車両公道試験走行のため、国土交通大臣より認定を取得
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「スタンレー新潟製作所」が新工場へ移転
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12月
スタンレー技術展「光の5つの価値」2010を開催
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2011平成23
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3月
東日本大震災発生、「スタンレーいわき製作所」、「スタンレー宮城製作所」に甚大な被害
東日本大震災
震度7の地震が襲ったスタンレー宮城製作所は人的被害はなかったものの、建物が被災し、製造ラインが破損した。2011(平成23)年3月19日には、復旧支援部隊が到着して復旧活動が本格化。震災から約10日後の3月21日には早くも生産を再開した。
スタンレーいわき製作所の被害も甚大で、生産ラインでは大型設備が大きくずれ、材料や製品が散乱した。加えて、原発事故で放射性物質が大量に拡散したため、社員およびその家族の安全確保のために新潟製作所に避難所を設け、避難させた。受け入れ側の新潟製作所の従業員やその家族は物資を提供し、食事の面倒をみるなど献身的な援助活動をした。安全が確認された3月25日に社員全員がいわきに戻り、28日に生産再開に向けて動き出した。
ほかにも筑波研究所、宇都宮技術センター、スタンレー鶴岡製作所など東日本の拠点の多くが被災したが、幸いにも社員の人的被害は免れた。東日本大震災の被害を受けたスタンレーいわき製作所
東日本大震災で中目黒公園に避難した本社社員
新潟製作所社員・家族による炊き出し
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本社仮移転先(恵比寿)で稼働開始
恵比寿ガーデンプレイスタワーに本社仮移転
2010(平成22)年7月、本社の建て替えを決定した。これまで工場を優先して行ってきた耐震対策が終了したことから、最後に残っていた本社を建て替えることとした。新社屋建設中は恵比寿ガーデンプレイスタワーに仮移転し、2012(平成24)年12月に中目黒に戻るという計画であった。
仮移転の前日の2011(平成23)年3月11日、引っ越しの荷造りをしているさなかに東日本大震災が発生した。本社屋の老朽化が激しかったため、連結部から瓦礫が落下、ほこりが煙幕のように立ち込める中、中目黒公園へ避難、出勤者全員の無事を確認した。旧本社での最後の操業日に被災したのであった。
移転先への引っ越しは困難を極めた。多くの帰宅困難者が出ている中で、業者も引っ越し要員が集まらなかった。移転先も荷物用エレベーターが使えない状況であった。2日間にわたる不眠不休の引っ越し作業が行われ、3月14日の早朝、始業前に何とか荷物の搬入を終えた。本社では引っ越しと地方の被災状況の確認のために総務部員の一部は泊まり込みで対応にあたった。 -
5月
「斯坦雷電気(中国)投資有限公司」(SECN)を設立
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10月
タイで大洪水が発生、ASIとTHSが浸水被害で一時閉鎖
タイ洪水被害
2011(平成23)年7月から10月にかけてタイで大規模な洪水が発生し、ASIとTHSが被災した。工場の周りには土のうを積み上げて水の侵入を防いでいたが、ついに工場の建屋内に浸水、一部の金型も水没してしまった。両社は工場を一部閉鎖した。11月には両社ともに一部のラインで生産を再開したものの、タイは世界への部品の供給拠点となっていたため、洪水はサプライチェーンに多大な影響を及ぼした。
タイの洪水で浸水するTHS(上)とASI(下)
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「武漢斯坦雷電気有限公司」(WSE)を設立
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12月
「Stanley Electric Sales of India Pvt. Ltd.」(SSI)を設立
東日本大震災
震度7の地震が襲ったスタンレー宮城製作所は人的被害はなかったものの、建物が被災し、製造ラインが破損した。2011(平成23)年3月19日には、復旧支援部隊が到着して復旧活動が本格化。震災から約10日後の3月21日には早くも生産を再開した。
スタンレーいわき製作所の被害も甚大で、生産ラインでは大型設備が大きくずれ、材料や製品が散乱した。加えて、原発事故で放射性物質が大量に拡散したため、社員およびその家族の安全確保のために新潟製作所に避難所を設け、避難所を設け避難させた。受け入れ側の新潟製作所の従業員やその家族は物資を提供し、食事の面倒をみるなど献身的な援助活動をした。安全が確認された3月25日に社員全員がいわきに戻り、28日に生産再開に向けて動き出した。
ほかにも筑波研究所、宇都宮技術センター、スタンレー鶴岡製作所など東日本の拠点の多くが被災したが、幸いにも社員の人的被害は免れた。-
東日本大震災の被害を受けたスタンレーいわき製作所
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東日本大震災で中目黒公園に避難した本社社員
新潟製作所社員・家族による炊き出し
恵比寿ガーデンプレイスタワーに本社仮移転
2010(平成22)年7月、本社の建て替えを決定した。これまで工場を優先して行ってきた耐震対策が終了したことから、最後に残っていた本社を建て替えることとした。新社屋建設中は恵比寿ガーデンプレイスタワーに仮移転し、2012(平成24)年12月に中目黒に戻るという計画であった。
仮移転の前日の2011(平成23)年3月11日、引っ越しの荷造りをしているさなかに東日本大震災が発生した。本社屋の老朽化が激しかったため、連結部から瓦礫が落下、ほこりが煙幕のように立ち込める中、中目黒公園へ避難、出勤者全員の無事を確認した。旧本社での最後の操業日に被災したのであった。
移転先への引っ越しは困難を極めた。多くの帰宅困難者が出ている中で、業者も引っ越し要員が集まらなかった。移転先も荷物用エレベーターが使えない状況であった。2日間にわたる不眠不休の引っ越し作業が行われ、3月14日の早朝、始業前に何とか荷物の搬入を終えた。本社では引っ越しと地方の被災状況の確認のために総務部員の一部は泊まり込みで対応にあたった。タイ洪水被害
2011(平成23)年7月から10月にかけてタイで大規模な洪水が発生し、ASIとTHSが被災した。工場の周りには土のうを積み上げて水の侵入を防いでいたが、ついに工場の建屋内に浸水、一部の金型も水没してしまった。両社は工場を一部閉鎖した。11月には両社ともに一部のラインで生産を再開したものの、タイは世界への部品の供給拠点となっていたため、洪水はサプライチェーンに多大な影響を及ぼした。
タイの洪水で浸水するTHS(左)とASI(右)
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2012平成24
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12月
本社新社屋が完成、翌年1月移転、営業開始
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